DHIJの目指すもの
我が国においては、世界史上類を見ない少子高齢化の進展や長引く構造不況による財政状況の悪化、団塊の世代の大量退職等の要因により、生産年齢人口が減少するとともに、増加し続ける国民医療費の高騰は、国民健康保険等保険者の財政基盤に深刻な影響を与えている。
この急激な社会構造の変化に対応するため、厚生労働省においては平成27年度より「データヘルス計画」を推進することによって、保険者等の財政状況の健全化を図り、「健康投資」「健康経営」の概念を社会に浸透させることで生産性を向上させ、医療費適正化に繋げる動きを加速させている。
各保険者の今後の活動においては、自治体等の保険者による「保健事業」と、企業等の健康保険組合・協会健保等による「健康投資」「健康経営」が連携することで、生涯現役社会の実現に向けたインセンティブ設計や、各主体の取り組みを効果的・効率的に実施するための環境を早急に構築することが喫緊の課題である。
今後、「保健事業」に係る投資対効果等のエビデンスの蓄積や、健康経営指標の情報開示、ICTを活用した医療・健康情報の利活用環境の整備など、保険者等が連携した「健康投資」「健康経営」の促進、効率的な保健事業を展開する保険者等の取り組みが評価されるインセンティブ設計等が必要となる。
このような状況を踏まえ、各保険者が保有するナレッジを連携・集積することによって、新たな「保健事業」が地域社会から創発されることを目的として、保険者・行政関係者・事業者・有識者等が結集し、生涯現役社会の創生に向けて関係者が共同で普及展開活動を行い、互いの課題解決に取り組む場として、また我が国の保険医療制度の更なる基盤強化に向けて「データ・ヘルスケア・イノベーション Japan」を設立する。
本団体の活動によって、地域住民・保険者・自治体等が既存の枠を超えた協働によるムーブメントを生み出すとともに、保健福祉事業の普及展開活動を支援することによって健康長寿社会の実現を図り、次世代ヘルスケア事業の促進に資するものと考える。